• 私たちは、食べ物を消化して、栄養素を吸収しています。
    その時に、免疫が主に小腸でその食べ物が悪いものかどうかを判断して、有害なもの(たとえば菌など)の侵入をふせいでいます。

 

  • 食物アレルギーは、本来無害な食べ物を食べたときに、体が有害だと判断し、有害な症状をきたすものをいいます。

 

  • 最近では、乳児期の食物アレルギーは、食べ物を食べる以外に、皮膚に食べ物もしくは食べ物のタンパク(たとえば小麦粉など)が付着する事で発症する事がわかっています。

 

  • 原因になるものとしては、卵、牛乳、小麦、そば、魚、エビ、カニ、ピーナッツ、くるみ、果物、貝など、様々です。

 

■症状は大きく分けて5つ■

①皮膚の症状(じんましんなど)
②目、口、鼻、顔の症状(かゆみやあかみなど)
③おなかの症状(腹痛、げり、おうとなど)
④呼吸器の症状(咳、ぜいぜいなど)
⑤全身の症状(ぐったり、意識がもうろうなど)
※多くは①か②の症状がみられます。

 

■③、④、⑤の症状が強い時は、重症で、アナフィラキシー症状、ショックと判断し、緊急的な治療が必要となります。

 

<食物アレルギーにはタイプがあります>

乳児のアトピーが長引くタイプ
 <食物アレルギーの関与する乳児アトピー性皮膚炎>
 ひふをとてもかゆがっている患者様が多い印象をうけます。

   

②上記の5つの症状が、食事をして30分以内。長くても2時間以内に出現するタイプ
 <即時型症状>

 これが一番多いタイプです。

   

③原因の食事を摂取後運動により症状が出現するタイプ
 <食物依存性運動誘発アナフィラキシー(FDEIA)>

   2時間以内に症状が出現することが多いとされています。

 

④果物を食べて出現するタイプ

 <花粉-食物アレルギー症候群、口腔アレルギー症候群>

   花粉症と関連しています。花粉症はスギだけではありません。知らない前に花粉症になっていて、採血で診断されること
   もよくあります
。すぐに口から症状が出現することが多いです。

   

⑤新生児や乳児期に食事をすることで主に胃腸症状が出現するタイプ

 <消化管アレルギー、食蛋白誘発胃腸症、食物タンパク誘発性胃腸炎>

   症状が強く、抗ヒスタミン薬の効果がありません。

  

  • 疑われた食物に対して本当にアレルギー症状がでているかどうかについて、お話を伺います。
    それにより必要に応じて食物経口負荷試験を行うか判断します。
  • その食物に感作されていることを確認するために、採血による特異的IgE抗体検査もしくは皮膚試験(プリックテストなど)を行いま

 

  • 健康的で、安心できる食生活をおこなえるように、必要最小限の除去食指導、摂取量指導、代替え食品の提案を行っております。 
  • 誤食してしまった場合の対応について、アレルギー疾患生活管理指導表や学校生活管理指導表の記載や指導を行います。